荷物の紛失にまつわるトラブルは意外と多い
引越し荷物がなくなるというトラブル、あまり無さそうに思えても起こり得るものです。
荷物がなくなる理由はいくつかあります。
- 旧居からの運び忘れ
- トラックからの運び出し忘れ
- 盗難
引越し作業が全て完了してから気付いても、どの段階でなくなったのか、誰の責任になるのかわからなくなってしまいます。
最終的には自分の目でチェックすることを忘れないようにしてください。
実際に起こったトラブル
ここでは実際にあったトラブルを紹介します。
引っ越し業者に頼んだものの、引っ越し後に荷物がない、というトラブルです。
中には悪質な手口を使う業者もいるので気を付けてください。
Aさんのトラブル体験
Aさんは引越しを業者に依頼して行うことにした。
引越し当日、荷造りしたダンボールを運んでもらっていたが、ふと気になることが目に映った。
作業員が自分が用意したものとは別にダンボールを折りたたんで箱を作っていたのだ。
引越し荷物を受け取った日、荷物を全て下ろしてからすぐに必要なものを出そうとダンボールを探す。
が、「貴重品」とメモしておいたダンボールが見つからない。
おかしいと思い担当者に確認するが、「ダンボールの数はあっていますよ」という答えが返ってくる。
ダンボールの数を数えると、確かに数は合っている。
でも記憶にないダンボールがあるので見てみると、そこにはディスプレイが入っている。
ディスプレイは自分ではダンボールに入れていない・・・。
数は合っているけど、これも数に含まれているのであれば数は合っていないのでは?
そう思いつつも、担当者からは「サインをお願いします。」と要求される。
サインを躊躇っていると、「倉庫にあるはずなので探してきますから」、「サインしてくれないと自分が帰れない」と強引にサインを迫ってくる。
探しに行くのならと、「必ず倉庫を確認して下さい」と渋々サインをすることに。
翌日、引越し業者から「こちらの倉庫にはないので、別の倉庫を確認する」と連絡があった。
しかしその後は連絡がない。
痺れを切らして2週間後、1ヶ月後とこちらから連絡を入れるが、結果は「探しているが見つからない」だけ。
何を言っても、知らぬ存ぜぬな態度を決め込む業者に「どう責任を取るのか」と迫ったが回答は次の言葉。
「作業時にサインをもらっているのでこちらの過失はない。要望に応じて保険でのみ対応する。」
その対応に怒りを覚えたAさんですが、何を言っても荷物が返ってくることはありませんでした。
最終的に、保証金を受け取るだけという泣き寝入りになってしまいました。
トラブルにならないための対策
Aさんのケースではいくつかの問題点がありそうですね。
まず、引越し業者が計画的に「盗難」をしようとしていた可能性です。
実際にどうなのかは定かではありませんが、最初にダンボールを別で用意して、わざわざ入っていなかった荷物をダンボールに入れている点。
こんな業者がいたら要チェックです。
ダンボールを増やすにしても、必ず一言あるはずです。
もし作業時に気付いたらちゃんと声を掛けて、搬出後の荷物をチェックするようにしましょう。
次に、Aさんの失敗は荷物が揃っていないのに「サインをしてしまった」ということですね。
サインをするということは荷物が全て揃っていることを自分で確認した、作業終了に合意したという意味になります。
全て揃っていないことが明白なのであれば、作業員に何を言われようともサインしてはいけません。
作業員が帰れなかろうが、用事があろうが、怒られようが気にすることではありませんよ。
作業員で判断ができない時は、営業担当者や本社に連絡をしてください。
「今日のところは・・・」と言われてもサインしてはいけません。
後日、荷物が届いたら改めてサインするとして、未完了状態を貫いてください。
トラブルを回避するためにできること
今のように当日に気を付けることも多いのですが、事前にできることもやっておきましょう。
それは「ダンボールに通し番号を付けること」です。
ダンボールには何が入っているかをメモするとわかりやすいですが、同時に通し番号も書いておきます。
1から順に番号を振っていくだけで効果があります。
他にも注意点として、「貴重品」とダンボールに書いてしまうのはやめておきましょう。
もし盗難目的の作業員等がいた場合に、すぐに目を付けられてしまいます。
貴重品は手荷物で持っていくことが第一ですが、重要度の高いものでも別の書き方で書いておく方が安全です。
運び忘れにも気を付ける
悪質な業者でなくても、引越し作業中は運び忘れが起こることはよくあります。
旧居からの荷物運び、トラックへの積み込み、積み下ろし、搬入と、荷物の移動回数はとても多いです。
各ポイントで忘れ物がないか自分の目でチェックしましょう。
最終的に身を守れるのは自分です。
業者が「全て運んだ」と言っても、最終チェックは自分たちで行うようにしてください。
旧居からの運び忘れがないか、トラックの陰に置き忘れていないか、搬入時にトラックの隅に忘れられていないか、毎回チェックしてくださいね。