引越しの荷物は自分たちで運ぶか、業者に依頼するか?

引越しをするうえで、荷物を運ぶ考え方として2つのパターンがあります。
それは「自分たちだけで運ぶ方法」と「業者に依頼して運んでもらう方法」です。

どちらにも比較するとメリット・デメリットはありますので、確認してどちらにするか考えてみてください。

自分たちだけで運ぶ方法

自分たちだけで荷物を運ぶ、と聞いてどう感じるでしょうか?

「その方がお金もかからないし楽だな」と思うでしょうか?

それとも、

「重い荷物を自分たちで運ぶなんて無理!」と思うでしょうか?

どちらが良い、悪いというものではなく、感覚は人それぞれだと思います。
ここで紹介する内容を読んで、改めてどう感じるかで決めてもらえればと思います。

自分たちで運ぶ引越しの判断基準

自分で荷物を運ぶといっても、その荷物の量や距離によって考え方がだいぶ違ってくると思います。
車で20~30分程の距離で、大きな家具がない場合であれば、自分で運んでしまおうという方が自然かもしれません。
逆に関西から東京への引越しだったり、遠距離への引越しであれば自分での荷物運びは大変ですので、業者に依頼することになりそうですよね。

基本的には、自分たちで運ぶ場合は1人~2人暮らしでの引越しになるかと思います。
それ以上ですと梱包するのにも手間がかかりますし、大型の家具や家電が増えてきますので、かなり大変になるでしょうからね。

大型のトラックを所有している(身近に借りられたり運転できる方がいる)、荷物を運ぶ体力がある方など、やるとしても条件が限られてくるのではと思います。

1人暮らしや2人でも荷物が少ない人は、自分たちだけでの引越しを検討してみてはいかがでしょうか?

自分たちで運ぶ場合に必要となる条件(というと大げさですが^^;)を考えてみましょう。

家具・家電

大きめの家具・家電を自分で持ち運ぶ気持ちがある

当たり前のことではありますが、大きめの荷物を自分たちで運ぶ気持ちがあるかどうか、です。
男性であればちょっとくらい大きめの荷物でも抵抗なく持ち運びできると思いますが、女性や怪我をしている方、体力がない方などにはとても大変だと思います。

大きい(重い)荷物を持っていて、それを運ぶのが辛いと感じる方は業者に依頼した方が良いと思います。
場合によってはギックリ腰などになってしまうリスクもありますし、無理しないことは大切です。

重いものでも、「よし、運んでやる!」と思える方は、自分たちでの荷物運びを検討してみてください。

冷蔵庫や洗濯機が2人で持てる大きさ

一般的な一人暮らし用の冷蔵庫(200リットル)や洗濯機(4kg~5kg)であれば問題ないとは思いますが、大きい家電製品を運ぶ際は注意が必要です。

例えば・・・洗濯機だとドラム式の場合は結構重いです。
一人暮らし用や、何kgの洗濯機か、で考えてしまうと思わぬところで苦労するかもしれません。

目安としては冷蔵庫200リットル、洗濯機5kg、などと考えておいて良いですが、別の目安も考えてみました。

自分たちで大きなものを運ぶ場合には、「2人で持てるかどうか」を基準にしてみましょう。

ひとりで無理せず持てるものは大丈夫です。ちょっと重いなと思うものからは、2人で持つようにします。
そして3人じゃないと持てなさそうだな、というものからはNGと判断します。

point!

2人以下で持てるものはOK、そうでなければNGと考えます。

なぜ2人で持てるかを基準にするかというと、自分たちで運ぶ場合、荷物を持つのは2人になるからです。
慣れない人たちで物を運ぶ場合、3人でバランスよく持つのは意外と難しいです。
3人で持っているつもりでも、誰かが実はほとんど力を使っていないか、逆に誰か1人に負担がいっている場合がほとんどです。

また、3人で荷物を持ったまま動くことが難しいので、ドアや通路の幅を考えても2人が良いと思います。
引越し作業時の効率を考えても、一人ずつ運ぶ、大きいものは2人で運ぶ、ことが一番だと思います。

この基準で、今の部屋にある大きいものを運べるか判断してみてください。
NGなものがあれば、自分たちでの引越しは困難なものになるでしょうから業者への依頼も検討してみると良いと思います。

食器棚やテーブル、ベッドが巨大でない、もしくは分解できる

先ほどの冷蔵庫や洗濯機など、家電の大きな荷物と同じことがいえるのですが、家具も大きなものは運ぶのが難しいです。
大きな家具も2人で運べるかを基準にしてみてくださいね。

ただ、家具の場合は家電よりも形が特殊である場合が多いです。
ダイニングテーブル、ベッドがその良い例ですね。

テーブルを見てみると、体積自体は大きくなく軽めなのですが「脚」があります。
狭い通路を通るときにはこの脚が邪魔になるんです・・・。
長方形なので上手に運ばないと脚が引っかかって通れなかったり、時には傷つけてしまうかもしれません。

こういった荷物がある場合には、無理に自分たちで運ばない方が安全だと思います。
でも、小さめのものであれば運んでしまえると思いますので通路の幅より小さいかを見てみてください。

賃貸の部屋で無理に脚付きのテーブルを運んで傷つけると、退去時に請求されてしまうのでちょっと怖いですしね。

テーブルやベッドは脚がついていたりしますが、取り外しができるものもあります。
そういったタイプであればかなりコンパクトになりますので、自分たちでの運搬も楽だと思います。

分解して持ち運べるか、これもチェック項目の一つになると思います。

運送

運送に必要な大型車やトラックの手配

何で荷物を運ぶかを考えると、やはりたくさんの荷物が入る車やトラックが必須になります。
この大型車やトラックをすでに持っていたり、家族や友人で持っている方がいれば問題ないでしょう。

持っていない場合でもレンタカー屋さんから借りることで利用することができます。
その場合は、費用がかかってきますね。

* 相場:軽トラだと6時間で5,000~6,000円程度

引越し先までの距離

自分たちで運ぶ場合には、距離は重要ですよね。
短い距離であれば良いのですが、長い距離になると次のように検討すべき点が増えてきます。

一度の移動で運べるか?
そのためのトラックなどの手配はできるか(運転できるか)?

長距離の場合は荷物を運ぶために何度も移動するのは大変ですので、一度でまとめて運んでしまいたいですね。
移動費もかかりますし、何度も移動すること自体が大変です。

そうすると場合によっては大型のトラックが必要になってきますが、大型トラックは普通自動車免許では運転できませんのでそれもクリアしなくてはなりません。
自分が持っているか、免許を持っている人にお願いしないといけないということになります。

荷物の積み込み、積み下ろしは限られた時間(休日)で終わるか?
引越し先の搬入口に車は停められるか(スペースはあるか)?

また、何度も行き来することに抵抗がなければよいのですが、一度でまとめて運ぶとなるとその一回で積み込みから積み下ろし、部屋への搬入までを終わらせないといけません。
トラックもずっと置きっぱなしにするわけにもいきませんから、日をまたぐ場合は駐車スペースの確保、そのための費用も考えなくてはなりません。

引越し先までの道順はわかるか?

道順については、最近はスマホのナビ機能があるので大丈夫・・・と思いたいですが、それも注意が必要です。
普段は通らない大型車が通る道での運転になりますし、引越し先の道は細かくはまだ把握できていないことが多いからです。

これらの項目をすべてクリアできれば、長距離での自力引越しもなんとかなると思います。
でもやはり大変だと思いますので、遠い場所への引越しであれば業者に頼む方が楽なのかなと感じます。

近い・遠いの感覚は人によって違うとは思いますが、「車で2時間以上」から大変になってきますので目安としてみてください。

また、「車で1時間以内、2往復以内」が一日で作業できる時間の目安になるかなと思います。
近い距離でも荷物の搬出・積み込み、積み下ろしなどをやっていると結構時間がかかります。
よほど慣れている家族や友人がいればスムーズだとは思いますが、そんなに慣れていない方であればこのくらいが一日の作業量目安だと思います。

2往復すると、結構疲れますよ。

自分で運ぶ場合の引越し先までの距離で、迷うようであれば「車で1時間以内」を目安に考えておくと良いと思います。
何かあった時に今の部屋に戻ったりする可能性も考えるとこのくらいが安心ですね。

自分たちでの引越しのメリット

自力での運搬について判断基準が少し見えてきたでしょうか?
次はメリット・デメリットを考えてみます。

まずはメリットから。
自分たちで引越しを済ませる場合のメリットは次のことがあげられると思います。

  • 費用が安く済む場合が多い
  • 業者とのやりとりの煩わしさがない

大きくは「安い」ということと「業者対応がない」というこがメリットです。

費用面では、「引越し費用の相場」でご紹介したように、すべてをレンタル・購入した場合でも13,000~15,000円程度で済みます。
トラックの手配ができれば1万円を切る計算になりますので、経済的にはかなりお得感がありますね。

友達も頼めば高確率で手伝ってくれるので、日にちの都合さえ合えばメンバーは集まると思います。

通常の引越し料金だと4~5万円かかってくるので、浮いたお金の一部を手伝ってくれた人たちに還元してあげてください。

業者対応については、電話するのが面倒だったり、見積もりをもらったりする事務的な手続きが面倒な方も多いと思います。
自分たちで運べる量なら、事務手続きの面倒よりも運ぶ面倒の方が良いという方はこちらを選択するのが良いですね。

後は、ここまでに書いた荷物や移動距離の壁を越えられれば自分たちでやってしまいましょう!

自分たちでの引越しのデメリット

次はデメリットです。
判断基準でも書いた内容が主になっています。

  • 体力が必要
  • トラックや台車など、必要な物の手配が必要
  • 物を傷つけやすい

デメリットとしては、自分たちで荷物を運ぶため、女性や高齢者、小さなお子さんがいる家庭では実施が難しいことです。
やはり体力が必要ですので、無理しない範囲で行うべきだと思います。
ただ、ご自身が運ばなくても、協力してくれる家族や友人が力持ちであれば問題ないと思いますよ。

トラックや台車の手配も、自分たちでの引越しには必須な項目といえます。
ここの手配がままならないと、運ぶことが出来ませんので面倒な点だと思います。
トラックをレンタカーで借りて自分たちで引越しをするのか、それならいっそ業者に依頼するのか、ちょっと悩むところかもしれません。

他にも、次のような準備が必要だと思います。

  • 手伝ってもらう友人への謝礼
    本来、業者に頼むような作業を手伝ってくれるわけですので、食事のごちそうや作業の時の飲み物は準備しましょう。
  • ダンボールの手配
    業者に頼むと無料でくれる場合もありますが、ダンボールも自分たちで用意しなければなりません。
    近所のスーパーなどでもらえる他、ホームセンターでは様々なサイズのダンボールがありますよ。
  • 台車の手配
    荷物を運ぶ際に絶対あった方が良いです。
    大した量じゃないと思っていても、すべてを手で運んでいると本当に日が暮れます・・・。
    それほど大きいものでなくてもよいので、必ず準備しましょう。
    ない場合は購入か、知人に借りる、もしくは台車のレンタルをやっている会社もあります。
  • 緩衝剤の手配
    この後にも書きますが、物を傷つけないための予防に必要です。
    トラック等に積んで運ぶだけでも、そのまま置いてはすぐに傷つきます。
    特に大きな荷物でダンボールに入れられないものについては全体を覆う必要があるため、要らない毛布やタオルでも良いですので用意が必要です。

最後は、自分たちで荷物を運ぶ場合には物を傷つけやすいということです。

運ぶ物そのものもそうですし、運んでいる最中のドアや通路、窓に当たって傷つけることがあります。
重量があるものについては、置こうとしてドンッと置いたら床が傷ついたということも往々にしてあります・・・。

賃貸だとすると退去時に補修代金がかかってしまいますし、新築に傷が付くのも怖いですよね。
これについては業者の場合でも同じですが、やるのであればしっかりと傷つかない対策をするようにしましょう。

単身パックという方法

自分たちで運べるくらいの量だけれど、ちょっと持ち運びに自信がないという場合には「単身パック」を選択するのもひとつの手です。
引越し業者に頼むと高くなってしまう・・・という考えで自分での引越しを選ぶのであれば、単身パックも考えてみてください。

単身パックとは?

単身パックは、各引越し業者が通常よりもコンパクトな荷物量に限定したお得なパック料金として提供しているサービスです。
これは各引越し社によって、運べる量やサービスが違ってきます。

全体的には、単身パックやミニパックといった内容で運べる荷物量は結構少ないです・・・。
例えば、これくらいの量です。

  • 冷蔵庫(2ドア)
  • 洗濯機(4キロ)
  • 薄型テレビ(20インチ)
  • ダンボール箱 10箱
  • 衣装ケース 3個
  • 布団袋 1袋
  • スーツケース 1個

結構いけるかな、と思いたいのですが、ベッドや食器棚、テーブル類の大きめの物が含まれていませんね。
これらを積んでしまうと、ダンボールは数個しか乗らないことになりますし、足りない分は追加料金だったり自分で運ぶことになります。

でも、自分での引越しですべてをレンタルまたは購入した場合と同じような金額なので、運ぶことが心配という方には便利だと思います。
女性や体が弱い方にはとても良いサービスで、「自分たちで運びたくても重いものは持てない」という方に最適です。
重いものや大きいものはこの単身パックを使って運んでもらい、ダンボールにまとめた小物系は自分で運ぶ、ということもできます。

荷物量を考えると、「自分で多少重くても持てるよ」という方にはちょっと物足りないサービスかもしれませんね。
そうであれば自分で運ぶ引越しを選択した方が良いと思います。

各引越し社によって運んでくれる量が違っていますので、次のテーマとしてまとめていきたいと思います。

まとめ

引越しを自分たちだけでやるのか、しないのか。
このページをご覧の方は、自分たちでやれたらいいな、と思っている人かもしれませんね。

いろいろな面から考察してみましたが、いかがでしたでしょうか?

意外に超えるべきハードルが多いな、高いなと感じた方もいるかもしれません。
ですが適当にやってしまっては当日に困ってしまうのはご自身ですから、事前の準備としてしっかりと検討してみてください。

個人的なオススメとしては、「やってみようと思っているのであれば自分たちでやってみる」です。
そう思えるということは明らかな無理な荷物(巨大な物)がないということですし、一度やってみるのも良い経験になると思います。

でもちょっと億劫になったなという方や、無理してまでやるのは危ないかなと感じる方は、その直感を信じて業者にお願いするのが良いと思います。
業者におまかせすると、実際に荷物の移動はすごく楽ですよ。
基本的に待ってるだけですので。

あとは、暑い、寒い時期の引越しは業者に依頼した方がよいかなと思います。
その季節であれば業者の費用も安いですしね。

いろいろと書きましたが、自分たちで作業をするのも時間がかかりますし、体力も必要です。
業者に依頼するとそこは楽ですが、費用が比較すると高くはなります。
皆さんのライフスタイルに合わせて、どちらを検討するか考えてみてください。

引越し費用を安く済ませることも大事ですが、引越し自体は目的ではなく過程のひとつです。
引っ越した後の新生活が本番ですので、ここで無理して体を壊すようなことだけはしないように気を付けてください。

より良い引越しライフになることを願っています!