引越し業者に連絡すると、必ず言われるのが「ご自宅に伺って荷物を見せてもらえますか?」という提案です。
営業さんが自宅に来て、家の中の荷物を見てから見積もりを提示することから「訪問見積もり」と呼ばれています。
でも、初めての訪問見積もりでは心配になることがたくさんあると思います。
- 荷造りは終わっていないとダメ?
- 本当に必要なの?
- 家の中を隅々まで見られるの?
- 準備しておくことはある?
- どれくらいの時間がかかるの?
こんな不安を解消していきましょう。
訪問見積もりでやることは荷物確認と見積もり提示
まずは、引越し業者さんが家に来て何をするのか知っておきましょう。
大きくわけると、次の3つのことを行います。
- 引越し内容の聞き取り
- 立地・荷物の確認
- 見積もりに関する説明
詳細な見積もり金額を計算するために必要なことを確認して、見積もりを出してくれます。
引越し内容の聞き取り
引越しするにあたっての希望や条件について確認があります。
- 引越し先の階数や道路幅
- 荷造りまでお願いしたいか?
- 希望の日程や急ぎなのかどうか?
これらの基本的なところから、具体的なオプションの説明もしてくれます。
最初に電話がかかってきたときに伝えていても、再確認のつもりで答えてあげてください。
面と向かって話をすることで、あなたにとっても引越しのイメージが明確になっていくと思います。
もちろん、プライベートなことまで立ち入って聞いてくることはありません。
もし聞かれても、回答する必要はありません。
立地・荷物の確認
準備が整ったら、荷物の量やサイズ、運びやすさを確認してもらいます。
これは、荷物を運ぶトラックの大きさを判断するためです。
引越しにおいて、トラックの大きさは料金にとても影響があります。
でも、素人では「この荷物はトラック何t分なのか?」をパッと見で判断できません。プロの目で見て判断してもらうことが大切なのです。
見積もりに関する説明
荷物の確認が終わると、見た結果から見積もり金額を出してくれます。
トラックの大きさもわかりますので、精度が高い見積もりが提示されますよ。
この見積もりを見ながら、詳しい内容について説明があります。
伝えたこと、聞いたことが反映されているかチェックしましょう。
- 運搬対象は合っているか?
- 大型家具は組み立て、設置までしてくれるか?
- 破損などの保証内容はどうなっているか?
- キャンセルはいつまで可能か?
見積もりを出した後は「契約しませんか?」と求めてきます。
これは営業なので仕方のないことですが、ここでは即決しないようにしましょう。
他の業者と見積もりを比べることで、料金が大幅に安くなる可能性があります。
- 安く引越ししたいなら訪問見積もりでは契約しない
訪問見積もりはトラブル予防のためにやるべき
訪問見積もりをするメリットは、トラブルを事前に予防することができることです。
自己申告だけでは、原則、申告した荷物以外は運んでもらえません。
大きめのトラックで余裕があれば運んでくれることもありますが、入りきらない分は追加料金になります。
最悪の場合、トラックの手配ができなければ追加料金でも対応できません。
屋外に置いていた自転車、押入れの確認忘れなど、自己申告では当日のトラブルが増える傾向があります。
訪問見積もりで判断したサイズであれば、業者側にも非があるので何とかしてもらえるケースが多いです。
こういった理由から、訪問見積もりは行っておくことを推奨しています。
見られるのは外見のみ
家の中を見られると聞いて、不安になるのが「どこまで見られるのか?」ですよね。
特に女性は下着や生理用品はもちろん、寝室やパジャマもあまり見られたくないと思います。
訪問見積もり時は、見られたくない部屋の配慮をしてくれるので安心してください。
- 入って欲しくない部屋は、伝えれば入らずに対応可能
ただし、その場合はあなたの口から漏れがないように詳しく伝えましょう。
引越し業者が荷物を見るポイント
引越し業者が知りたいのは、見積もりに必要な情報です。
- トラックのサイズはどれくらいになるか?
- 作業員は何人になるか?
- 運べないものはないか?
という視点で見ていきます。
ですので、訪問見積もりでチェックするのは大型家具、家電が中心です。
中に入っている物よりも、まずどれだけのスペースが必要かを把握することが重要なのです。
次のようなものは中身を聞かれることもありますが、タンスを勝手に開けて中を見たりはしないので安心してください。
- クローゼット
- 押入れ
- キッチン下や食器棚
収納されているものが、ダンボールいくつ程度になるのかを確認しています。
例えばクローゼットの中は、服の種類ではなく、カラーボックスや棚がいくつあるかが知りたいということです。
また、大型家具については分解して運べるものなのかも聞かれることがあります。
掃除と準備しておくべきもの
訪問となると、来客対応も気にしなくてはいけないですよね。
- 掃除や片付けはきちんとしておくべき?
- 用意しておくものはある?
- お茶、お菓子の準備はした方がいい?
荷造りは完了していないのが普通ですので、最低限の掃除・片付けを行っておきましょう。
掃除・片づけは寄せておくだけでもOK
部屋の片づけは、散らかっていなければ何も心配いりません。
「汚部屋」のように足の踏み場もない状態はNGですが、エリアごとに物が集められているだけでも大丈夫です。
訪問見積もりの目的はトラックサイズを判断することなので、「ダンボール2~3個分だな」とわかれば十分なのです。
とはいえ各部屋を見て回ることになりますので、見られたくないものは片づけておきましょう。
子どものおもちゃは、散らかっているものですので営業さんも気にしません。心配しなくても良いですよ。
準備しておくと便利なもの
訪問見積もりの際には、受け答えがメインですので特別に用意するものはありません。
来客のためのお茶と、気になるようならお菓子を準備しておきましょう。
また、必ず用意すべきものではないですが、次の2つはおすすめです。
- 質問したいことのメモ
- 来客用のスリッパ
質問したいことのメモ
引越し業者さんに聞いておきたいことがあれば、それをメモしておきましょう。
引越しのことで不安に思っていること、疑問を書き出しておくのがおすすめです。
説明がなかったところは、メモをもとに1つ1つ確認すると良いですよ。
来客用のスリッパ
細かいところと思われるかもしれませんが、来客用のスリッパは用意しておくと良いです。
ほとんどの場合、男性の営業マンがいろいろな家を訪問した後に自宅に来て、部屋の中を見て回ります。
たくさんの汗をかいているかもしれませんし、他のお宅では不衛生ということも考えられなくはないです。
極端な例ですが、小さなお子さんがいる家庭などでは衛生面は気になりますよね。
来客用に、100円均一のもので良いのでスリッパを買っておきましょう。
所要時間は1社あたり60分
訪問見積もりに要する時間は、約30分~60分です。
部屋の間取りや、こちらから質問した時間によって違いはありますが、60分と考えておくと良いです。
複数の業者に来てもらうときには、バッティングしないように1時間以上空けて訪問時間を設定しましょう。
可能であれば同じ日にまとめて対応しよう
一括見積もりサービスを利用すると、複数の業者とコンタクトを取ることになります。
それぞれ訪問見積もりしてもらう必要がありますが、毎回準備するのは大変です。
そこで、来訪日は同じ日にまとめることをおすすめしています。
- 訪問見積もりは同じ日にまとめて準備の負担を減らそう
来訪日をまとめてしまう利点は、部屋の片づけや掃除を何度もしなくて済むことです。
日付が変わると、どうしてもまた「掃除をしなくては」と感じてしまいます。掃除や片付けは1日だけにできると嬉しいですよね。
特にお子さんがいらっしゃる家庭では、おもちゃなどでどうしても部屋が汚くなるので翌日でも片づけが発生してしまいます。
営業さんは慣れていますし気にしないですが、こちらが気にしてしまいますよね。
また、他にもこんなメリットがあります。
- 訪問時間にリミットを設定できる
- 即決を迫られても断りやすい
これはしつこい営業のための対策ですが、時間を強制的に制限することができます。
営業なので仕方ないのですが、話を引き延ばしてなんとか契約しようとする傾向があります。
稀にですが、「即決してくれないと帰らない」と長く居座る人もいます。
もし居座られた場合でも、次の引越し業者が来てしまえば強制的に話を終わらせることができます。
訪問見積もりがバッティングしてしまったら!同時にも対応可能
引越しの訪問見積もり:まとめ
見積もりのためとはいえ、知らない人が家に来るというのはストレスがかかります。
「部屋を隅々まで見られるのではないか?」と心配な状態では、それだけで疲れてしまいますよね。
そんな不安を少しでも解消できたでしょうか?
訪問見積もりは面倒と感じるかもしれませんが、トラブルを回避するためにはやっておくべきです。
やることを事前に把握しておけば怖いことはありません。スムーズに終わらせましょう。