引越し荷造りのコツ -梱包の仕方・順番・注意点-

前回の記事で引越しの荷造りをいつから始めるかをご紹介しました。
 >> 引越し荷造りはいつから始める? -荷造りのスケジュール-

次は荷造りをしていくうえでのコツをご紹介します。
ダンボールへの詰め込み方や、刃物などの危険な物の包み方など、知っておくと便利な小技が盛りだくさんですよ。

荷造りのコツ

まずは荷造りの順番から。
前回の「引越し荷造りはいつから始める?」の記事でも書いていますが、ざっとまとめましたのでおさらいしましょう。

荷造りの順番

季節ものは最初に

今が夏なら冬物を、今が冬なら夏物を先に片付けましょう。

衣替えでしっかり分類分けされていれば素晴らしいですが、季節の変わり目だと出来ていないこともあると思います。
一人暮らしの方はそこまで厳密にわけてはいない方も多いのではないでしょうか。

押入れや納戸を片付ける

押入れや納戸の中の物は、普段使わないものが収納されている場所です。
手を付け始める場所としては最適ですね。

押入れの中であれば他の荷造りの邪魔になりませんし、ついでに押入れを整理して収納スペースを確保しましょう。

必需品ではないものを片付ける

押入れの整理ができたら、普段の生活ではあまり使わないものを箱詰めしていきます。
使うものが多いとは思いますが、シビアに最低限のものを残して片付けます。

例えば食器なら、大きなプレートを家族の人数分だけ残して、後は片付ける、でしたね。

食材は使い切る

引越しの際には半日以上、冷蔵庫を使うことができません。
食材は上手にすべて使い切りましょう。

また、引越し先で冷蔵庫のコンセントを繋げても、数時間は冷たくならないので注意です。
すぐに要冷蔵のものを入れないように気を付けてくださいね。

水抜き・灯油の扱い

冷蔵庫・洗濯機は「水抜き」の作業が必要です。
霜が溶けて、他の荷物が水浸しにならないように必ず行いましょう。

ストーブの灯油については、冷蔵庫や洗濯機よりも漏れ出した時の影響度が大きいです。
臭いもベタつきも、危険性もです。
運ぶ場合は、しっかり蓋のできる容器で密閉するようにしましょう。

荷造りの最終段階

最後の段階になったら、「貴重品」、「清掃用具」、午後便の方は「暇つぶしアイテム」を残すようにします。

貴重品は引越し業者に運んでもらうのではなく、自分で運びますので手持ちのバッグにいれましょう。

清掃用具は、引越し作業後(退去時)の清掃に使います。
これを行うかどうかで、敷金の返金額が大きく変わることもあります。
退去の立ち合いの際の原状回復で隙を与えないように(笑)、キレイにしましょう。

暇つぶしは午後便の方に限りますが、前の引越しが押して、業者が遅れてくることがあります。
そんなときのために小さめの本やゲーム機を準備すれば万端です。

新居ですぐに使う物はまとめる

荷造り全体のコツとしては、「新居ですぐに使うものは一つのダンボールにまとめる」ことです。
一つで収まらない場合は複数にわけますが、色の違うダンボールなどにしておくとわかりやすいです。

新居ですぐに使う物とは何があるでしょうか?

  • 水・保存食
  • 食器・箸・調理器具
  • 洗面用具(タオル、歯ブラシ、石鹸など)
  • カーテン、照明
  • その他、普段よく使っているもの

万一、水道が使えない時のために水はすぐ取り出せるようにしておきます。
災害時にも必要になるものは引越し直後といえど気を抜かないようにしましょう。

他には日常生活の中で使うものですね。
「衣」「食」「住」に関わるものはすぐに使うと考えておくとわかりやすいと思います。

ちょっと気にしておくべきなのは、カーテンと照明器具です。
シーリングライトなどは備え付けでない賃貸もあります。
また、カーテンがないと外から丸見えなのですぐに取り出し・設置できるようにしておきましょう。

荷物のリストを作成する

荷物の一覧を事前に作っておくと荷解きの際には役に立ちます。

ですが、細かく「箸:○膳、スプーン:○本・・・」などとやっていては大変です。
大きな家電製品や家具、荷造りしたダンボールの数は最低限メモしておくと良いです。

引越し後に数が合わない、といった場合に業者のトラックなどをすぐに確認することもできます。
トラブルを回避するためにも是非作っておきましょう。

荷造りにおける梱包のコツ

梱包のコツは、細かいことですがやっておくと良いことがたくさんあります。
また、意識しないとやってしまいがちなポイントも結構あると思います。

たくさんあるので、箇条書きスタイルで一気にご紹介します!

ダンボールに関するコツ

ダンボールの組立

四辺を互い違いにはめ込むだけにするのはNG。底が抜ける可能性があります。
必ず底にガムテープを貼って補強しましょう。

ダンボールには全て梱包内容を明記しておく

これは必ずやりましょう。
新居での荷解きや、作業中でもどこにしまったかわかると非常に役に立ちます。

側面の見える位置に書くことをお忘れなく。
できれば複数の側面に書いておくと、積んだ時にパッと見てわかるのでお勧めです。

注意事項をダンボールに書く

梱包内容と同じようなものですが、「割れ物」、「刃物」、「液体」など注意事項を書いておくと良いです。
怪我につながらないように絶対にやっておきましょう。

特に小さなお子さんがいる家庭などでは大きく「割れ物注意!」「危ない!触ってはダメ!」などと書いておきましょう。

重いものを下に、軽いものを上に

上に重いものを置くと、重みで潰れてしまいます。
荷物を入れたダンボールの積み方もそうですし、ダンボールの中の荷物も同じですよ。

あまり使わないものから順に入れる

ダンボールの中に入れる際には使う頻度が低いものを奥に、下にと入れていきます。
よく使うものが奥にあったら、取り出すのが大変ですよね?

小物の隙間には緩衝材を

小物はどうしても隙間ができやすく、ガタガタと動いてしまいます。
運搬の振動も大きいですので、できるだけ隙間をなくすように緩衝材を使いましょう。
無い場合は新聞紙を。

重いものは小さいダンボール、軽いものは大きなダンボール

梱包の鉄則として、代々伝わる言い伝えです。
・・・とまでは言いませんが、言い過ぎでもないかもしれません。

同じ重さを支えるなら、小さい方が丈夫です。
重いものを大きなものに詰め込みすぎると、すぐに底が抜けてしまいます。

また、同じ種類のものを同じダンボールに詰め込みたくなりますが重さには気をつけましょう。

一人で持ち運びできる大きさに

一つの大きなものを用意するよりも、一人で持てる大きさに分けて梱包しましょう。
荷造り中にちょっと場所を移動させるのにも一苦労になってしまいます。

本は小さい箱に、意外と重いよ

本は大きさが均一で詰め込みやすい物ですよね。
ですが調子に乗って入れているとかなりの重量になってしまいます。

小さめの箱に分けて梱包するように意識しましょう。

取って付きのダンボールに入れる

荷造りした物の中でも最重量となりやすい書籍類ですので、しっかり持てる箱が良いです。

取っ手や穴がついているダンボールを利用しましょう。

衣装ケースに入れている場合は注意

衣装ケースなどを本棚の代用として使っている方もいると思います。
普段置いている分には良いのですが、持ち運ぶとなると重みで壊れやすいです。

重いな、と思ったら別のダンボールに移し替えるか、量を減らしましょう。
できるだけ隙間がないように、余ったスペースに衣類をいれても良いかもしれません。

割れ物

一つずつ新聞紙などで包む

お皿やグラス類は割れ物として特に注意が必要です。
割れ物同士が接触すると、簡単に割れてしまいます。

一つずつ新聞紙で包んで梱包するようにしましょう。
出来るだけ全てを包んだ方が良いですが、一枚おきに包んでいないお皿を置いても大丈夫なことが多いです。
(やる場合は自己責任でお願いします^^;)

ダンボール内に緩衝剤やクッション代わりの新聞紙を敷く

割れ物には揺れや動きを許すのがとても危険です。
隙間がないように緩衝材や新聞紙を間に挟みましょう。

また、ダンボールの底もクッション性のあるものを敷いておくと安心です。

お皿は縦に積む

重力は上から下に向かって働きますので、広い面を上に向けておくと割れやすいです。
運搬中は上下の振動で負荷がかかることが多いですので、できるだけ縦に置きましょう。

グラス類は重ねる

新聞紙などで包んでいることが前提ですが、一つずつダンボールに入れるよりは重ねた方が割れにくいです。
でも重要なグラスなら専用の箱を用意するのが最も割れにくいですね。

緩衝剤の替わりに布団の間に割れ物を挟まない

布団などは緩衝材の替わりになりそうですが、危険も潜んでいます。

間に挟むと、そこに割れ物があることが一目でわかりません。
業者さんが布団だと思って無造作に持ち上げた時や、挟んだことを忘れて持ったときに飛び出てしまいます。

出来るだけやらない方が賢明だと思います。

衣類

シワを付けたくないならハンガーボックス

最近、「ハンガーボックス」という運搬用の箱が出てきました。
これは箱の中でハンガーを掛けるタイプなのでシワがつきません。

シワが付きやすかったり大事な服には使ってみるのも良いと思います。

靴は事前に汚れを落としておく

他の荷物に汚れを移さないためにも、事前に靴の底の土などをとっておきましょう。

色が付きやすい靴は底同士を合わせて入れる

色の移りやすい靴の場合、隣り合わせで入れておくと色がついてしまう可能性があります。
出来るだけ底を合わせて収納すると色が付きません。

一足の靴で底を合わせる必要はありません。別の靴同士でもOKですよ。

靴の中には詰め物を入れる

型崩れをさせたくない靴には内側に詰め物を入れましょう。
丸めた新聞紙だけでも違いますよ。

ブーツは折りたたまない

長いブーツは嵩張ってしまいますが折って入れないようにします。
専用の箱がない場合は、紙バッグに入れると丁度良い大きさですよ。

布団

布団や毛布には圧縮袋が便利

ふわふわな布団や毛布は気持ちが良いですが、引越しや収納の際には大きくなってちょっと邪魔ですね。
圧縮袋を活用しましょう。
かなりスペースも圧縮して使うことができますよ、

緩衝剤の替わりに布団の間に割れ物を挟むのはダメ

繰り返しになりますが、布団の間に割れ物を入れるのはやまめしょう。

調理器具

箸やスプーン、フォークはまとめてハンカチやナプキンで包む

箸などのバラバラになりやすい物は何かで包むようにしましょう。
包めるものなら新聞紙でもなんでもOKです。
輪ゴムで止めたうえで包むとよりバラけにくいですね。

ちょうど良い大きさのケースがある場合はそこにまとめて入れましょう。

鍋は径の大きい物から順に入れる

鍋は大きい物から順に重ねていくと嵩張りにくいです。
マトリョーシカ的なイメージで重ねていきましょう。

中身の入った調味料はジップロックに入れる

まだ中身の残っている調味料はこぼれないように注意が必要です。
蓋がついているものはしっかり閉めて、ビニール袋に入れましょう。

液体や注ぎ口が開いているものはラップで蓋を包んで輪ゴムで止めておきます。
そのうえでジップロックに入れると液体漏れが起きにくくなります。
しまうときは横にならないようにしましょう。

可能なら栓ができない液体類は使い切るか、もったいないですが中身を捨てるのも手です。

刃物など

包丁などの刃物は購入時のケースにいれる

刃物はとても危険ですのでしっかり対策するようにしてください。

購入時のケースなど、専用の入れ物がある場合はそこへ入れて蓋が開かないように固定しましょう。

専用のケースがない場合

専用ケースなんてないよ、という方は次の方法で刃を隠しましょう。

  1. ダンボールの切れ端を2つ折りにして、刃の部分を覆う
    刃がしっかり隠れるように大きめに覆います
  2. ズレ落ちたりしないように、ガムテープで固定
  3. その上からタオルなどで巻いて、輪ゴムやひもで縛る

タオルで刃先を包んだだけでは危ないです。
ご自身やお子さん、業者さんが怪我をしないように何重にも注意しましょう。

ダンボールに「刃物危険」と書いておく

取扱いに危険がともなうものについては、ダンボールに目立つよう「刃物注意」と書いておきましょう。
持ち運ぶ人にも、ダンボールを開ける際にもよくわかります。

観葉植物

直前には水をやらない

引越しで時間がかかるので水を上げておきたくなりますが、水や土で汚れる原因となりますので控えましょう。

鉢を新聞紙で包む

水を直接与えておくと汚れの原因となりますので、栄養剤や水を含んだ新聞紙などを入れておくと枯れにくいです。

葉っぱの部分は大きめのポリ袋をかぶせる

葉の部分に直接あたるとダメージを受けやすいのでポリ袋をかぶせましょう。
完全に蓋をしてしまうと植物が息をできなくなってしまいますので、空気穴を開けることを忘れずに。

収納ケースや冷蔵庫の扉など

扉が開くタイプの物には養生テープで固定

収納ケースなどのようにスライドして開くタイプのものは、勝手に開かないように固定します。
運搬中に開いて中身が散乱する・・・という状況を防ぐことができます。

その際、固定には通常のガムテープを使うと剥がしたときに跡が残ってしまいます。
養生テープ(布テープ)を使うようにしましょう。

他にも冷蔵庫や食器棚などの扉も簡単に開いてしまいますので、こちらも養生テープで閉じておきましょう。

家電製品・家具

配線がわかるように印をつけておく

テレビやDVDデッキ、パソコンなどには多くの配線がありますね。
見てわかる方は良いのですが、不安な方は目印を付けておきましょう。

同じ色のビニールテープを巻いたり、☆や▲などの種類でわけて印をつけるとわかりやすいです。
「テレビ用配線」、「DVD用配線」などと分類してきましょう。

また、配線が難しい物には「線の先端」と「線を差す場所」にもわかるような印をつけておくと配線し直すときに迷いませんよ。

ノートパソコンの取り扱い

ノートPCは精密機器ですので、運ぶ際にはクッション性のあるもので包みましょう。
厚手のバスタオルで3重ぐらいにして巻いておくと万全です。
ダンボール等に詰めるときは、上下左右の全体を緩衝剤で保護しましょう。

また、パソコンはデータのバックアップと取っておいた方が良いです。
最近では外付けハードディスクも安価になりましたので、必要なデータだけでも保存しておきましょう。

家具も分解できるものはパーツをまとめる

配線と同じように、家具を分解して運ぶ際にはまとめておきましょう。
ネジなども外した場合には袋に入れて、何用なのかを書いておいた方が良いですよ。